末端の仕事をしていないか!?

僕らの会社の業態は特定の形が無いサービス業に分類される。特定の形が無いっていうことは、クライアントの満足に向かって、常に何かしらのサービスを提供していくのが大事なんだけど、会社もこの狭い業界の中では大きいほうになり、マーケットでの影響も大きくなり、多様な商品ができてきた。

そうすると、多くの商品を販売する方に重点が置かれてしまい、いつの間にか『現在のクライアントには○○な採用が必要だ!』という哲学が失われていってしまった。僕らの業界のサービスは数十年前と変わらず、未だ『○○な人を“集める”』ための短絡的な集客商品に固執している。

でも、そういうサービスは参入障壁が低いため、新興企業でも簡単に真似できるから、すぐに独自の価値では無くなってしまう。

最近、そんなことを考えていた。分かりやすい例がシステム業界だ。あそこは一部の上流工程を握っている企業がクライアントの窓口となり、課題解決に必要な要件を定義し、子会社やその他のパートナー企業にプログラミングなどの実務を振る。さらにその会社は下請けに仕事を振り、またその下は・・・という感じに簡単な仕事になればなるほど下に落ちていく。基本的にそういった業務はプログラミングをかじったことがある人間ならば誰でもできるから、多くの人が会社を自分で興し、上から仕事をもらうプログラミングの専門会社を立ち上げた。特に金融機関の統合でシステムを構築する時期が近年続き、大規模なプロジェクトが沢山あり、仕事も沢山あったから、彼らは潤っていた。

ただ、今は大規模な案件は減ってきた。そうなると、上から自動的に落ちてくる仕事は減り、仕事があっても単純作業なため、価格競争に巻き込まれてしまう。マズイマズイと今から新規の営業をかけようにも、営業機能をもっていないため成果を上げられず、単純なプログラミング以上のことができる社内リソースが無い。ということで敢えなく倒産となるわけだ。

僕らの仕事もそう。“集める”だけの商品、考え方だけでは僕らでなくともできる。クライアントにとってもそこまで大事ではない、誰に頼んでも良い、そこまで“価値”を感じない業務だ。

だから、もう一度原点に立ち返り、クライアントに“価値”を与える仕事を僕らは本当にしているのか?クライアントは何に“価値”を感じるのか、考えるのが必要だと思う。

他社ができる仕事は“価値”が無い。誰でもできる仕事にも“価値”は無い。それしかできない人間は当たり前に“価値”が無いと思う。

それぐらい厳しいスタンスでいないと、これからはきっと乗り切れない。

僕らのクライアントの課題も、入り込んでみるといろいろ見えてくる。“集める”だけで解決できないものだ。これまでそこに手を入れることに躊躇していたから、そこまでノウハウも無いし、きっと大変な労力もかかるだろ。でも、やってみると案外面白いし、勉強になる。何より自分の成長にもなって、クライアントの評価も上がる。(業務量はとても増えるけど・・・)

会社で求められていることはきっと今は違うから、別にそういうことをやっても給料が上がったり、評価をされるわけでは無いけれども、5年後、10年後の自分にはとても役に立つと思う。

だから、今やっている仕事を頑張ろうと思う。そして自分のやっていることがクライアントにとっての“価値”になっているかは厳しくチェックしていきたい。